中村勘三郎さんは、ライバルでした。

勘三郎さんが亡くなりました。残念。
勘三郎さんは私のライバルでした。私はおばあちゃん子で、おばあちゃんとは相思相愛、たくさんいる孫の中でも一番可愛がられているとむやみに自負していましたが、ある日祖母が帰って来るなり、母に「勘九郎ちゃんが可愛くてねえ、〜」と嬉しそうに話しているではありませんか、(かんくろうちゃん?)そんないとこがいたかしら?いたのね、、おばあちゃんに可愛いと言われるのは私だけだとおもっていたのに!と勝手にその ”かんくろうちゃん” にライバル心を燃やしました、私が5歳くらいの頃です。その後も綺麗な着物を着て出かけて帰ってくると”かんくろうちゃん”の話がでます。それが歌舞伎役者の勘九郎さんだとわかったのは、祖母が亡くなって、わたしがなんと大学に入る頃でした。ああ、そうだったのか、とわかってからは、大好きなおばあちゃんが愛した勘九郎さんのことはおりにふれ気にかかり、、”ライバル”とはおこがましいながら、同時代人として応援しておりました。ご冥福をお祈りいたします。