第四章

『さてさて マジシャンガエルデビーの大マジックショー がはじまるよー!』
ここは舞台のそで、
_あそこに見える絵は見覚えがあるわ。緑と黒で描かれたトオモの絵だわ。水の嫌いなトォーモが ”イケノソチラ” のここに来れるはずがないわ。でもたしかにトォーモの絵。_
『そこのイボガエルさん、その絵は誰に描いてもらったの?』
『ははは、、そっくりだろう。この絵は 黒い目のカエルに描いてもらったのさ、なんでも赤目のピエロガエルに渡したい手袋があるとかで長い旅をしてきたらしいよ。』

『手袋!ねえイボガエルさん、その黒目ガエルはどこにいるの。きっと私の友達のトォーモはだわ』
『さあてしばらく前に別れた所だが、、ちょっと待ってろひとっ飛び。 おお見えた見えた。あいつめ、だいぶ急いだとみえる、ずいぶん遠い所までいっちまった。だがおれにかかればひとっ飛びさ。なにか訳がありそうだ。連れて行ってやろうひとっ飛び。おれのイボにしっかり捕まってろよ。』
ぴょーーーーーーーーーーーーーん

『ああトォーモは、やっぱりあなただったのね。あなたのベットを一晩借りて、暖かいスープをいただいて、その後私は家に帰ったのよ。あなたの言う通りみんなが心配していたわ。パントマイムが出来なくても私が帰ってきたというだけでみんな喜んでくれたの。そして残っていた片方だけの手袋をはめて、池のほとりで私がパントマイムの練習をしていると、

      • ココココ困った、ココココ困った------

ってつぶやきながら鶏のおじいさんが歩いてきたでどうしたのですかと尋ねてみると

        • 北の国に嫁いだ娘が病気になったので看病にいきたいのだけれど 海も凍るほどの寒い国、とさかが凍ってしまっては看病もままならないのではと心配なのです。ココココ 困った ココココ困った----

と座り込んでしまったのよ。
困ったことがあったら唱えてみてね、とあなたが言っていたあの言葉
*カエルカエルアタエレバカエルチ二カエルテン二カエルワレ二カエル*
アタエレバ、、
私は鶏のおじさんに片方残った手袋を差し上げたの。それはとさかにぴったりで暖かくって、、。とても喜んで北の国のお嬢さんのところで出かけていったわ。

私に残されていた片方の手袋もそうして私の手元からはなくなってしまったの。でもとても気持がよかったわ。その時に鶏のおじさんが私に言ったの。

        • ありがとうよ、デビーさん、握手をしておくれ、おお手袋を取った指はなんて細くて器用そうなんだ。この指ならばとってもすばらしいマジックショーができるだろうねえ------って。

しみじみ眺めた私の指、そっと動かしてみたら、とってもしなやかに速く動くのに気がついたの。なにもない帽子のの中から素早くレンゲ草を出してみせたときの子供達の驚きと喜びの目。そうして私は勉強してマジックガエルになったの。』